バンクーバーでの仕事探し体験や教わった就活・職探しのコツ等、スキルワーカー移民のカナダ移住準備に役立つ情報を書き留めてます。


by workincanada

給与額が決まるしくみ

カナダでの給与交渉で必要になる背景知識を紹介します。

【給与は時給で計算することが多い】
多くの職種では、年俸ではなく時給という物差しで給与が決まります。
その場合は交渉も時給ベースになります。
参考までに、いまの勤め先では全体的な傾向として、年収7万ドル未満は時給で、7万ドルを超えるあたりからサラリーとしての年俸で計算するようです。これは勤め先の規模とか職種とかによっても変わってきます。会社によっては、例えば年収5万ドルで時給でなく年俸の人もいます。

【時給⇔年収の換算式】
一般には次の式で計算します。

  《年収》=《時給》×8×260   又は 《年収》=《時給》×2080



1日8時間労働で年間260日を勤務するのが一般的。
8×260=2080時間が標準的な年間総労働時間です。
標準外形態の労働(パートタイムとか)だったりすると変わってきますが。
あとは勤務先によっては1日7.5時間労働のこともあり、その分だけ年収が少なくなります。

例題:
1) 時給20ドルで1日8時間、フルタイム・通年で働くと標準年収はいくら?
  →$41,600 (20×2080=41600)
2) 年収4万ドル相当で交渉したい場合、時給の目標額はいくらでしょう?
  →$19.23 (40000÷2080=19.23)

【雇用側はpay scaleをもとに交渉額を決める】
カナダでの給料は交渉力次第で大きく変わる、というアドバイスは体験談の本とかで時々目にします。
確かにこれは給与交渉の一面を正しく表現していますが、もう一つ大切な側面として採用側の予算枠があります。採用側は支払う給与の想定額として何ドル~何ドルまで、というレンジで予算を決めています。これをサラリーレンジ(salary range)と言いますが、このサラリーレンジはその会社における当該ポジションのペイスケール(pay scale)というものによって決まってきます。多くの会社ではペイスケールという給与体系が設定されていて、ここで各職務に対する予算幅がレンジで決められているのです。
なので現実的には、この範囲を超えて交渉をし続けると多くの場合決裂してしまいます(そのポジションが非常に重要なのになかなか埋まらなくて雇用側が焦っているような特殊なケースを除く)。

給与交渉がうまくいくかどうかは、このペイスケールの調査も大きく関係してきます。

参考:
 ・ペイスケールの例
 ・職種一覧の例

人材紹介会社を通すと、このレンジを事前に知ることができて交渉がすごく楽になります。
直接応募でも、こちらの希望レンジが高すぎる場合は、雇用側が予算幅を率直に教えてくれて妥協点を積極的に探ることもあります。
あとは、面接で給与面の話になった時にこちらから聞いてしまうという手も無い訳ではないですが、業界でのおおよその数字は事前におさえておいた方が良いです。

【ボーナスは少数派】
ボーナスがもらえるようなポジションに就ける人は少数派ですが、もらえる場合は時給や年収の交渉がラクになります。ストックオプションの場合は行使できる条件など確認したほうが良いです。
サラリーの給料だと必ずボーナスがもらえるとも限りません。時給でもボーナスがもらえる会社もあります。

【1回での昇給は10%まで】
試用期間が終わったあとに昇給の交渉ができる場合、昇給の幅は通常は最大で10%です。
例えば時給20ドルで契約して無事に試用期間を乗り切って昇給してもらえることになった場合、最高で22ドルまでの昇給が普通です。それ以上アップする人もいるはずだけど少数派でしょう。
別の見方をすれば、雇う側は、1割かそれ以上低めの数字をターゲットに給与交渉をしてくることが多いです。カナダでの職歴(Canadian experience)が無い移民に対してはこの傾向が顕著です。

【コントラクトの場合は時給を割り増しする】
コントラクト(契約社員)として働く場合は、一般に高めの時給での交渉になることが普通です。
福利厚生もなく短期労働という不安定な条件を飲む代わりに高い賃金を支払う、という考え方があるからです。

例えばフルタイム・通年採用で時給20ドル相当の職種をコントラクトで受けるとすれば、契約期間に応じて次の感じで交渉したいところです:
  • 2週間未満 → 30~40ドルくらい
  • 1~2ヶ月 → 25~35ドルくらい
  • 半年~1年 → 20~25ドルくらい
理想的な形は、本来20ドルの時給の仕事を短期コントラクトで40ドルとかで契約して、それが何年にも渡って延長され続けるパターンです。こんな人はごくごく少数派で滅多に出会うことはありませんが、実際に何人かそういう人を知っています。

【unionizedかnon-unionizedか】
労働組合に所属する社員の場合、かなり厳密に給与のしくみが決まっているのであまり交渉の余地がないと聞いています。
ただし労働組合に入っている場合は不当に安い賃金で働くことはほとんどありません。一方で組合員だと高い賃金もあまり期待できないことが多いようです。
天然資源やユーティリティ系とか公共系などの規制がある業界のブルーカラー職に特に労働組合が多いと言う印象を持っています。

【交渉力について】
交渉力は非常に重要で、交渉の持って行き方次第ではペイスケールの上限を狙えます。
しかし交渉は英語とかトークとかのスキルだけでは成り立ちません。市場でのポジションを確認した上で自分の優位な部分を交渉に織り込みます。いろんなところで言われているように、英語が話せて、プラス何ができるのか(例えば日本語)、さらには競争相手はその市場にどれくらいいて彼らとの差別化要因は何なのか(他の日本人や日本語ができるカナダ人・移民の中での違いは何か)、以上を相手の足元を見ながらどれくらいハッタリを利かせてアピールできるか、このあたりの調査力・表現力も含めた総合的な力が大切です。
特に都市部では、involuntaryなvolunteer(このエントリの末尾参照)や、短期契約にもかかわらず法定最低賃金に近い水準で働くことをいとわない人達がたくさんいることにも注意を払う必要があります(価格競争力が弱くなるので)。
なお、カナダで最初の就職の場合は交渉力が弱くなってしまうことが多いので、どのようにして対処するかを事前に考えてみると良いです(Canadian experienceが無いことを理由に足元を見られることが多いので)。
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by workincanada | 2005-04-21 13:51 | カナダ就職・転職