バンクーバーでの仕事探し体験や教わった就活・職探しのコツ等、スキルワーカー移民のカナダ移住準備に役立つ情報を書き留めてます。


by workincanada

バンクーバー日系社会における悪質な雇用者の例

日本人青年一時滞在者の期待と現実 - 実地調査の結果から -
(2002年2月)


バンクーバーに一時滞在する日本人に対する聞き取り調査から垣間見える日系社会の暗部。
日系の全部が全部こうだとは思わないけど、こういう話はバンクーバーに来てからときどき耳にするようになったので。
聞き取り調査のターゲットをかなり絞り込んでるので、回答や分析のコメントもかなり濃いものになってます。
...
このような文化的な背景に加え、多くの若い日本人一時滞在者は、「アイデンテイテイ不足」に悩んでいますから、彼らの自己認識は、いっそう状況の変化によって左右されやすいと言えます。実際、私が一人の女性インタビュイーに、「今の自分は好きですか」と聞いたところ、「この三ヶ月ぐらいは好きじゃないけれど、あと10日で好きになると思う。あと10日で、将来の仕事がもらえるかどうか、職場から返事が来て、ワークパーミットが出るかもしれないから」と答えました。

このように、状況によって特に自己認識がかわりやすい若い一時滞在者は、北米人だけではなく、年長の日本人・日系人にとってもコントロールしやすい相手かもしれません。実際、「北米に来て困った体験はありますか」という私の質問に対し、日系企業でのセクハラや不当解雇や、給料未払いを挙げたインタビュイーの数は、日系人以外からの不当な扱いを話してくれた人の人数に迫るものがありました。



...
一方、ある29歳の女性は、カナダに人生のチャレンジを求めてやって来たとき、仕事への自信に満ち、自分のことが好きだったと言います。しかし、ある日系企業で仕事に就き、おそらく精神的な病を持っていたであろう上司から、絶えずいわれのない罪をきせられ、なじられるうちに、精神の健康が蝕まれていきました。彼女はワークパーミットを得るために二年間この状況に耐えましたが、ついにはうつ病のため辞職しました。それ以来、彼女は度々自殺未遂をしています。「そのたった一人の人に会うまでは自分のことが好きだったのだから、また自分を好きになってもいいではありませんか」と私は言いましたが、彼女は、「自分のどんなところに自信があったのか、全部見失ってしまい、それ以来自分を傷つけるのが止められない」と言います。
バンクーバーだけでなくカナダ東部、そしてアメリカの日系社会でも似たような事を聞いたことがあるけど。どこの世界にもいろんな人がいる、ということで。

ちなみに同レポートの次の部分も印象的:
私のインタビュイーの多くは、カナダを一種の避難所のように感じているようです。すなわちカナダは、彼らの描写する所では、「個人主義にのっとってい」て、「他人が何をしようと気にしない」国、「何歳で学校に入りなおしても、人生のコースを変えてもいい」国なのです。

日本人の若者がコントロールしやすい相手になってしまう理由っていうのは、「アイデンテイテイ不足」だからとか「自己認識がかわりやすい」から、に加えて、「外国人としての言語能力のハンデ」や「労働市場での弱い競争力」という要素もかなり大きいと思います。移住者でない場合だとアイデンティティとか市場での競争力うんぬん以前にビザの問題が立ちはだかることもあるし。
UBCの心理学科としての調査だったためにそっち方面の分析だけであとは割愛してしまったんでしょう。

カナダの移民は社会的にも労働市場的にも弱い立場にあって、後から来た移民は先に定住した移民よりもさらに弱い立場におかれる傾向にある。一般的にカナダでなくてもどこの世界でも「新入り」はつらいのかなと思います。

あとこのへんもうなずける。
私が見るところ、一時滞在者は滞在を引き伸ばし、数年に渡ってカナダに住むこともしばしばです。また、多くは一、二年の就労ビザすなわちワークパーミットを取りたい、またはそれを足がかりに永住権を取りたいという希望を口にします。さらに、「ビジター」ビザを持つ人は必ずしも短期滞在者ではありません。というのも一時滞在者は、よくビジタービザから学生ビザに変更したり、逆に他の種類のビザからビジタービザに変更したりして、滞在を延長するからです。また、少なからぬ人たちが日本とカナダの間を半年や一年おきに行き来していますが、その度に違うビザを持ってカナダに戻って来ます。このような若い世代の出現により、「ビジター」「一時滞在者」「移住者」の間の境界線は、今どんどん曖昧になってきています。
あとこれも。
ワーキングホリデーの青年について注目すべきは、日本とワーキングホリデー協定を結んでいる英語圏の国、すなわちオーストラリア、ニュージーランド、カナダを、次から次へと「はしご」する傾向があるということです。韓国とフランスも一九九九年以来、日本とワーキングホリデー協定を結んでいますが、英語圏ではないため、日本人青年の間で、渡航先としてはプライオリテイが低い傾向にあります。このような状況では、ワーキングホリデーの青年の間で、カナダまたはバンクーバーは、英語圏であるということ以外に特別なアピールはないように見受けられます。実際、私が「こちらに来る前に、カナダに対してどんなイメージを持っていましたか」と聞くと、ワーキングホリデー、また他の一時滞在者からもっともよく聞く答えは、「特にない」でした。次によく聞く答えは、「アメリカに比べ安全、生活費が安い」といった、アメリカとの相対的な比較に基づく判断や、「寒い、大きい」といった大まかな客観的描写でした。また、カナダの他の都市でなくバンクーバーを選んだ理由は、「他の街に比べ気候が穏やか、日本に近い」というものでした。大多数にとって、他の場所に比べてどうしてもカナダやバンクーバーでなければいけないという理由がなさそうであることが、印象的でした。

[PR]
by workincanada | 2005-05-26 11:14 | 移住後の暮らしを考える